再録コルサコフ
夜、男と女がパソコンのディスプレイの前で。
「ねぇ、こんなHP見るのやめてよ」
「わ、ちょ,おま、お前、人のブックマーク勝手に見るなよ」
「これってエッチなページでしょう?」
「・・ん。んん。うん、まぁな」
「まぁな、って何よ」
「まぁな、は、まぁな、だよ。」
「こんなの見て楽しいわけ?」
「楽しいっていうかさ、ホラ、なんとなく見ちゃうんだよ」
「何となくだったら見なきゃいいじゃん」
「いや、でもさ」
「でも?」
「うーん」
「だって、こんなページ見たって全然生産的じゃないよ。時間の無駄。こんなの見てる暇があるなら、もっと違うことをした方がいいよ。こんなページをわざわざ探し出して、見て、って単なる時間の浪費じゃない。そういう時間があるなら自分の為になる他のコトをやった方が絶対生産的だし、良いと思う」
「ん、んん・・・、だけどさ」
「大体こういうページ見て何かあなたの為になったコトある?」
「為になったコトって言われると・・・」
「でしょ?自己完結自己満足。非生産的すぎるのよ、こんなページを見るって行為自体が」
「君は生産的な行為ってのが好きみたいだね」
「当たり前じゃない。折角自分が動くんだったら、そこに意味と結果が欲しいってのは当然でしょう?」
「じゃあさ」
「何?」
「僕らのセックスはどうなるんだい」
「え?」
「ゴムつけてるよね。子ども作れないよね。生産的じゃないよね」
「それは・・・」
「それは?」
「・・・そこには私達の愛が積み重ねられるじゃない」
「!!!!!」
そして動き出すスクリーンセーバーと二人の男女。